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リンパ腫(犬)

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リンパ腫(わんちゃんの場合)

わんちゃんに発生する腫瘍の上位にあがり、中高齢以降での発生が多い腫瘍です。

人も同じですが、わんちゃんやネコちゃんにもリンパ節という免疫機能に重要な役割を示す組織が体の至る所に存在しています。通常は感染や炎症を食い止める堤防の役割をしている組織ですが、ここに存在する『リンパ球』が腫瘍化したものがリンパ腫と呼ばれます。

腫瘍の発生する部位や、腫瘍化する細胞の種類、形態により細分化されます。
例えば腫瘍の発生部位により、以下のように分類され、その部位により症状も異なります。

発生部位による分類
多中心型(80%) 体表のリンパ節をはじめ、複数のリンパ節が腫大
頚部のリンパ節が腫大することで食欲の低下や咳、呼吸困難などがみられます
消化器型(5%) 胃、小腸や大腸などの消化管や、腹腔内のリンパ節が腫大
嘔吐、下痢や黒い便、食欲の低下などがみられます
縦隔型(5%) 胸腔内のリンパ節が腫大
呼吸が荒い、呼吸困難、咳などの症状がみられます
皮膚型 皮膚に発生。上皮向性と非上皮向性に分類
皮膚の炎症を伴います
節外型 眼、中枢神経系、骨、鼻腔内などに発生
発生部位に応じた症状がみられます

最も多いのが多中心型のリンパ腫ですが、体の表面のリンパ節(体表リンパ節)が腫れてくるためご自宅でも初期に気付いて頂ける可能性のある腫瘍です。

主な体表リンパ節の位置を示しています

下顎リンパ節は正常でも触れますが、いずれの場所のリンパ節も通常は顕著に腫れていることはありません。
是非ご自宅のわんちゃん、ネコちゃんでも触って確かめてみてあげて下さい。

鼠径リンパ節が
顕著に腫大しています

診断

腫大したリンパ節の針生検(FNA)を行い、細胞を確認します。
本来少ししか見られない、幼若なリンパ球を主とした細胞群が確認されます。
正確な判断が難しい場合もあり、採取した細胞を検査センターへ送り、診断を依頼することもあります。
また、腫瘍を構成するリンパ球には大きく分けるとB細胞性とT細胞性のものがあり、これらの区別は予後や治療方針に影響します。この分類は検査センターでの遺伝子学的な検査により評価が可能です。

幼若なリンパ球が大量にみられます
細胞中に占める核の比率は高く、
複数の核小体もみられます

胸腔内や腹腔内のリンパ節が腫大していないか、肝臓や脾臓、腸管といった腹腔内臓器の異常がないか、などX線や超音波検査でも確認します。
異常が見られた場合には超音波で確認しながら胸腔内や腹腔内の臓器にもFNAを行い、
腫瘍細胞の存在を確認します。
また、血液中に腫瘍細胞が認められることもあるため、血液検査も重要です。

超音波検査です
お腹の中のリンパ節が腫大しています

これらの検査を踏まえ、以下のような分類を行うことができます。

WHO臨床ステージ分類
ステージ
Ⅰ: 単独のリンパ節に限局した腫脹

Ⅱ: 局所の複数のリンパ節が腫脹

Ⅲ: 全身の複数のリンパ節が腫脹

Ⅳ: 肝臓や脾臓に腫瘍細胞が認められる

Ⅴ: 末梢血や骨髄に腫瘍細胞が認められる
Ⅴ: 節外性のリンパ腫
 
サブステージ
a: 全身症状なし
b: 全身症状あり
新Kiel分類
B細胞性 高グレード
B細胞性 低グレード
T細胞性 高グレード
T細胞性 低グレード

また、近年ではリンパ腫の分類に新WHO分類という分類方法が多く用いられています。
こうした診断や分類を慎重に行うことで予後を予測し、治療の選択肢を検討します。

治療

リンパ腫の治療は抗癌剤を用いた内科治療が主体となります。
腫瘍のタイプによっては手術や放射線治療も選択肢となりえますが、ここでは最も多い多中心型リンパ腫に対する治療として第一選択となる化学療法についてお話します。

抗癌剤の種類は非常に多く、複数の薬を組み合わせて治療する多剤併用療法が効果的と言われています。
ただし、それぞれの薬の効果や副作用は様々で、その適応は以上のような分類に応じて異なります。
当院では様々な治療法をお伝えし、飼主様のご意向も伺いながら、
より良い治療方法を一緒に考えていきたいと思っています。

抗癌剤には様々なものがあり、
当院でもいくつかの抗癌剤を使用しています

なお、この腫瘍は現在のところ完治は困難であり、治療の目的は眼にみえるリンパ節の腫脹を消失させ(寛解)、それに伴う症状を改善し、生活の質をより長く良好に維持することにあります。
腫瘍の特性上、残念ながらいずれ再燃する可能性は高く、寛解と再燃を繰り返すことが少なくありません。

ただし、この病気は無治療では1ヶ月以内に亡くなってしまう可能性のある恐ろしい病気ですが、適確な治療により生活の質を保ったまま長い期間の維持も期待できます。
(治療への反応や予後は、上記の各種分類によってかなりの差があるため詳細は省略しますが、ご心配、ご興味のある場合には遠慮なくご相談下さい)

腫瘍の発生を早期に捉えて治療を開始することは勿論ですが、抗癌剤によって生活の質を落とさないようにすることも非常に重要です。また、治療中には再燃の傾向をより早期に捉え、無症状の時間をより長く維持し、少しでも家族と過ごす時間を持てるよう、専門医の立場からもご協力させていただきたいと思っています。