肺腫瘍
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その名の通り肺に発生する腫瘍ですが、進行するまで症状があまり見られないこともあり、発見が遅くなりがちな腫瘍です。健康診断のために撮影したX線検査でたまたま見つかることもあります。
腫瘍は原発性肺腫瘍と転移性肺腫瘍に分類されます。
わんちゃんの原発腫瘍は肺腺癌や組織球性肉腫というものが多く、ネコちゃんでの原発腫瘍は比較的稀ですが肺腺癌や扁平上皮癌、リンパ腫などが発生します。
ちなみに、組織球性肉腫はバーニーズマウンテンドッグに多くみられる腫瘍です。その他にもフラットコーテッドレトリバーやミニチュアシュナウザーも好発犬種とされているため、特にこうした犬種の子は注意が必要です。
症状
- 咳(乾いた咳が多い)
- 呼吸困難、呼吸数が増える(寝ていても呼吸が早い)
- 元気がない
- 食欲不振、体重減少
- 発熱
診断
- X線検査
X線検査でもはっきりとした腫瘤が確認できます。
最低2方向の写真を撮ることで腫瘤の位置の確認をします。
- CT検査
肺のどの位置にどのくらいの病変があるのか、造影検査をすることで腫瘍なのかの判断をしていきます。また、近くのリンパ節の腫れも確認します。
- 超音波検査
しこりのサイズを確認しつつ、可能であればエコーで確認しながら針を刺して細胞をとります。また、胸水がある場合は抜去して胸水の性状検査もします。
腫瘤の内部構造を確認することができます
液体が溜まっているのか、ぎっしり詰まった腫瘍なのか、腫瘍の中の血流がどれくらいあるのかといった確認ができます
- 細胞診
しこりが何なのかある程度把握をして次のステップ(治療)に進んでいきます。
- その他
血液検査や、胸の中だけではなく腹部や骨格もX線や超音波検査を行い、全身の精査をします。
治療
【手術】
しこりが1つだけで、明らかな転移が認められず、肺腺癌が疑わしい場合には手術が第一選択です。早期に見つけることができてしこりも小さく、手術で完全に切除ができる場合には根治が期待できます。
逆に、しこりが大きかったりリンパ節などに転移がある場合には手術で解決しきれず、残念ながら予後があまり良くありません。
また、術前の検査結果で組織球性肉腫が疑われる場合には、手術ではなく抗癌剤が選択肢になりますがやはり予後はあまりよくありません。
その他の部位からの転移が疑われる場合にも手術が選択肢にはならないことが多く、やはり予後はあまりよくありません。
基本的にはとにかく早くに見つけてしっかりと診断をし、適応できる場合には手術で完全に切除することが理想です。
【内科:抗癌剤など】
・肺腺癌が疑われる場合には第一選択は手術ですが、手術が難しい場合や手術で取り切れなかった場合には抗癌剤が選択肢に挙がります。ただ、現状では効果が大きく期待できる抗癌剤はなく、抗癌剤での根治は難しいことがほとんどです。
・組織球性肉腫が疑われる場合には抗癌剤が第一選択になります。
ただ、やはり効果が強く期待できる訳ではなく、残念ながら余命は短いことがほとんどです。
肺腫瘍に対して効果が大きく期待できる内科治療は残念ながらあまりないのですが、効果がないから何も治療をしないというわけでもありません。
呼吸がしんどい、熱が出る、食欲がない、といった症状に対して対症療法を行い、少しでも穏やかに過ごせるような治療のご提案をしたいと思っています。
まとめ
肺腫瘍は無症状で進行することが多いため、定期的な画像検査が早期発見の鍵です。
早期に発見して手術を行うことで完治が望めることがありますし、長期生存も期待できます。
心配な症状がある場合は勿論ですが、症状がなくても定期的な検診をご検討下さい。




